鎌倉を舞台に、ある親子とその周辺の人々の日常を描く小説。 季節の記憶 (中公文庫) 作者:保坂 和志 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1999/09/01 メディア: 文庫 数年前に鎌倉に引っ越してきた主人公の中野と息子の圭太は、近所に住む松井さんと美沙…

震災後の原発周辺での除染作業、そこに集まる人と金を描く小説。 藻屑蟹 (徳間文庫) 作者:赤松 利市 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2019/03/08 メディア: 文庫 大きな収入を求めて震災後の原発周辺での除染作業への参加を決める主人公、そこで彼を取り…

極上のファンタジーだけれど、風刺や寓話も含まれていて大人も子供も楽しめる小説。 星の王子さま (新潮文庫) 作者:サン=テグジュペリ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/03/28 メディア: 文庫 他の惑星から地球を訪れた星の王子さま（以下「王子」）と…

ダイナマイト自殺により母親を失った著者が自殺について書いたエッセイ 。 自殺 作者:末井 昭 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2018/03/17 メディア: Kindle版 仰々しいタイトルの本書だけれど、内容は堅苦しく自殺を考えるようなものではなく、自殺を…

脳障害を持って生まれてきた子供を巡る主人公の葛藤を描いた小説。 個人的な体験 (新潮文庫) 作者:大江 健三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1981/02/27 メディア: ペーパーバック 生まれてきた自分の赤ん坊の脳に障害があり、そのことで主人公は様々な…

自分の宿命を意識してもがき苦しむ事とそれに対する救いを描く小説。 何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫) 作者:中村 文則 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2012/02/17 メディア: 文庫 幼くして親に捨てられ施設で育った刑務官が、自分の姿と本来あるべき宿命…

真理を見抜く周縁の人々を照らす小説。 ことり (朝日文庫) 作者:小川洋子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2016/01/07 メディア: 文庫 小鳥の言葉を理解し自ら編み出した言葉を話す兄と、唯一その言葉を理解することができる弟の暮らしが描かれている…

明確な言葉で表せない読後感を持つ小説。 あひる (角川文庫) 作者:今村 夏子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/01/24 メディア: 文庫 三遍の話が書かれており、そのうち二編は繋がりのある話。どれも、児童文学のようなテイストを含んでいる。 読んで…

どこか懐かしい情景が淡く浮かび上がる小説。 雪沼とその周辺 (新潮文庫) 作者:堀江 敏幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/07/30 メディア: 文庫 短編毎に雪沼という寂れた土地に住む人々のそれぞれの生活が描かれる。 廃業のボーリング場、書道教室、…

社会学者である作者が、自身の研究や日常生活の中 で感じた事をまとめたエッセイ。 人生は、断片的なものが集まってできている 断片的なものの社会学 作者:岸 政彦 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2015/05/30 メディア: 単行本（ソフトカバー） なかな…